MENUMENU
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組織がつながり、
新たな価値をつむぐ

CROSS TALK

三菱商事ファッションが、これからのビジネスモデルとして掲げる「業界特化型事業経営モデル」。
部署を横断して推進されている事業の内容、今後のビジョンを、3人の会話から探ります。
グローバルマーケティング本部
ファッション企画部 ファッションチーム

加来 なおみ

2012年中途入社。
大手アパレルメーカーでの営業・生産管理を経て、2018年から現在に至るまでデザイナーズブランドの営業を担当。
高い専門知識と迅速/正確な対応が要となる取引でメンバーを束ねる責任者として従事している。
トータルソリューション本部
事業開発部 総合事業チーム

中原 一馬

2019年新卒入社。
学生時代に培ったITやマーケティング知識を活かし、新規事業立ち上げに関わる。
2021年からは小ロット生産にも携わりOEM経験を積み、現在はその知見と自身の強みを活かしサプライチェーン改革に寄与するシステム開発及び営業に携わる。
事業投資部
新規開発チーム マネージャー

小谷 佳司

2015年新卒入社。
大手SPA取引での営業を担当。
2019年より約3年間の中国子会社出向を経験し、2022年の帰国後はデジタル事業へ従事。
現在は事業投資部に在籍し、ブランドへ出向中。出向先での生産管理サポートやサプライチェーン改革、業務効率化等を通して、ブランドの持続可能な成長へのフォローを行っている。
INDEX

業界特化型事業経営モデルとは

まず、業界特化型事業経営モデルとはどういったものなのでしょうか?
加来
従来のように各部署単体で取り組むのではなく、商品供給事業や事業投資などお互いのノウハウを組み合わせて補完し合い、相乗効果を生み出せるようにしたスキームです。
課題解決というよりは、各部署で連携しながらソリューションを生み出していこうというものです。
小谷
なぜこのようなビジネスモデルを当社が推進しているかと言うと、今までは顧客の生産に関する課題解決が収益の中心でしたが、大手顧客をはじめとするアパレルブランドは生産課題を解決しつつあり、商社としての新たな価値の発揮が必要とされているからです。
顧客の課題を深く理解し、今まで培ってきたものづくりのノウハウを活かしつつ、課題に対する最善の解決策を提供することが当社の価値発揮につながると考えています。
中原
近年、その動きは特に加速していますよね。
小谷
そうですね、今は商社を介すことなく海外から仕入れができるようになっていたりと、生産課題は解決されつつありますね。
単に生産機能を提供するだけでは価値発揮をすることが難しくなっているので、新しい課題を見つけて対処することが必要です。
ハードルは高いのですが、行っていくべき領域です。

ブランドの内側から
問題の本質を捉える

小谷さんはブランドへの出向の経験がありますが、ブランドの中にいると課題の見え方が違うのでしょうか?
小谷
納期遅延の問題があるとして、商社の立場から提案できる解決策としては工場側の品質やスケジュール管理の改善などが多いです。
ですが、出向してブランドの中から見ると、実は発注側に問題があったという事が明らかになるケースもあります。
発注フローの見直しなど、ちょっとした工夫で解決できることもあり、ブランド側の視点で考える方が問題の本質を捉えることができるのでベストな解決案が提案出来ますね。
やっぱり見え方が全然違います。
加来
出向しているからこそ見える課題を見つけ出し、それに取り組まれているんですね。
中原
小谷さんのように、出向という方法でブランドを支援することも業界特化型事業経営モデルにおける課題解決の一つの手段です。
ただ、出向せずとも、ブランドや工場と連携しながら課題解決ができるので、このビジネスモデルにおけるソリューションのバリエーションは豊富にあります。

システムによるソリューション提供

中原さんと加来さんは、国内工場向けのシステム導入に関わっているんですよね?
中原
そうですね、私は様々なソリューションを開発・提供する部の営業担当として、現在は日本のデザイナーズブランドのOEM営業担当である加来さんと生産業務の効率化をするべく当社と工場間で使用するシステムの開発・導入に取り組んでいます。
加来
工場側の協力も頂きながら、生産面でのシステム運用、縫製工場やその他の関係先の業務効率も向上させるソリューションの提供を目指しています。
中原
最終的には、ブランド側にもシステムを導入して頂くことが目標です。
これが実現できれば、大きな実績となり、小谷さんのように当社社員が出向しているブランドや今は取引の無いブランドにも提案できるようになります。
当社にとって経験や知見の蓄積となりますし、サプライチェーンの効率化に繋がると考えています。

システム開発をする上で

システムを活用して課題解決する中で、大切にしていることはありますか?
加来
やはり使い勝手が大事です。
システムで実現可能なこと、不可能なことがあるので、工場側へのヒアリングをしっかり行う必要があります。
デザイナーズブランドの取引は国内生産がメインで、発注や仕様に関するやり取りは実は電話やFAXなどアナログな方法で行われています。
そのため確認作業に多くの時間を要するのが現状です。また、国内工場では高齢化による労働力不足も課題となっています。
そこで、確認作業をシステム化し、頻繁な電話を減らし、製品に関わる全員が一度に効率よく状況を把握できるようにすることで、生産に集中できる環境を整えたいと考えていて、そのためのシステム導入をお願いしています。
中原
システムを最適化するためには、当社だけでなく工場にも積極的に使って頂く必要があります。
そうでないと、システムがサプライチェーン全体で機能しません。
工場視点でも使いやすいシステムにすることが大きなミッションの一つです。
このために、半年ほどかけて開発を進め、実際に工場や発注代行会社に伺ってヒアリングを行い、業務フローや要望をシステムに反映させました。

ファッション業界の未来

システムを活用して、新たな生産モデルを実現し、日本のファッション業界全体の活性化を目指しているんですね。
加来
そうですね、日本のデザイナーズブランドを扱っている私の部署では、社内で連携して、3年後には国内工場の価値、「MADE IN JAPAN」の価値を高めたいと思っています。
その為に、世界各国のブランドがMADE IN JAPANの生産管理を共有できるシステムを構築しているところです。
5年後には、システムを使って生産工場とのやり取りを効率化し、国内のみならず、海外からのオーダーも管理する事を見据え、新しい形の生産モデルを実現したいと考えています。
中原
様々なソリューションを開発・提供する私の部署では、3年後に現在開発しているシステムをファッション業界に普及できている状態にしたいです。
まずはこのIT領域で安定した収益モデルを確立することが重要だと思っています。
これが達成できた後、5年後には他の部署で提供している課題解決モデルとも連携をしながら、顧客のそれぞれの課題に合わせた最適なソリューションを提案できる状態にしたいです。
小谷
事業投資部としては、3年後や5年後に事業投資先となるブランドを増やしていくことが目先のミッションです。
出資先には、中原さんの部署が提供しているシステムを始め、当社の様々なソリューションを提供することで最終的にはブランドの成長に大きく貢献していきたいと思います!
中原
現在のファッション業界は価格競争や、煩雑化した業務体制など、様々な問題があり、このままでは日本のファッション業界は衰退してしまうと危惧しています。
ですが、当社のこういった取り組みを通して現場の課題を一つ一つ解決することで、日本のものづくりが正当に評価される世界になり、ひいてはファッション業界全体の活性化につなげたいと思っています。
※所属、掲載内容は取材当時のものです。